みずのそこ
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いってき、いってき

2024年8月24日2件]

お出かけついでに。帰りに途中で電車降りたら見られるな?と気づいたので見てきた。クレカの映画優待はじめて使った。(映画というものを滅多に見ないし、たまに映画館に行く時はライブビューイングなので優待使えんため)20240824203129-yaburing.png

とりあえず感想として残しておきたいのエンディング(クレジット流れているところ)なんだけど…。上下に流れていた番傘が、気づいたら右奥と左前に分かれてねじれるように接近する感じ、あれDNA螺旋構造っぽく見えてしまったんだけど…つまり円環の絡み? あるいは、片方がいつものステ本丸時間軸で、片方が廻時間軸か?

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き、来たぞ~、間に合った!!20240824203103-yaburing.png
国際版画美術館、興味深い展示を掛けてくれるしとても良い館なのだけど、駅からまあまあ歩くから暑い時期にはなかなか足が向かない。あと7月は週末の予定が埋まりすぎていた。とはいえ、この展示は第一報から楽しみにしていたものなので絶対絶対行くんだよ、という強い意思のもと、やっとこさ。ピーク時に比べたら最高気温が3、4度低めになってきたのも助かった。

めーちゃくちゃ良かった。行って良かった。清原啓子と門坂流。202408242031031-yaburing.png  202408242031032-yaburing.pngどれもこれも画面の密度が大変高く、受け取る情報量が多い。大変お腹が空いた。中途半端な時間だったけれど駅前で食べてから向かって良かった。展示室を出てすぐ館の喫茶で軽く追加を食べました。おかげで1日4食になった。

わたしは、にんげんのからだという物体があまり好きではない。が、美術館に通っていると「曲線」というものに魅力、美やエロスを感じることがわりとあり(そもそも、子どもの頃はじめてエロスを感じた物体は空き地に捨てられやわらかに錆びた洗面台の裏側だった)、そういう「曲線」は絵画の画面上では人体に与えられがちだよなあ…ということを、大変強く意識した展示エリアもあった。高校生の時だったらあのあたりの展示がいちばん好きだったかもなあ…ベルメールあったし。
フェティシズムって部分へのフォーカスだから、対象がたとえ人体だとしてもそれを物体として解体していく感じが強いな、と思うのだけど、そこに浮かびあがるエロスって…何だろうな…という気分。エロスとタナトスの隣接ってわりと言われがちだし、そういう側面わかるんだけど、この方向に歩いて来てもそれあるんだーという感想を持った。

そして、ひたすらに線の美しさをえんえんと見ていられるという点では、門坂流作品が本当に良かった。何往復もしてしまった。何が描かれていても線にすごみがありすぎて、「何」よりも「線」を見てしまう。とはいえ「線」がより活きる画題というのはあるように思われ、波や雲などのスケール感があって静止していないもの、が特に好きでした。

清原啓子は最初からお目当てだったので置いておくとして、あと特に好きだったのはエリック・デマジエールと星野美智子の展示ゾーン。ふたりともボルヘスの「バベルの図書館」を画題にしていて、特にデマジエールのもう何だかようわからん域の遠近法と構図は圧倒的だった。(そして、今回のキャプションでのピラネージポイントはここでした。国際版美のピラネージへの言及好きなので、今回はここだ~!と変な喜び方をしてしまう)

ところで清原啓子の作品集、普通にショップに置いてあったので奥付を見たら、2022年に3刷が出ていたんですね…。わたしが必死に探し回って中古ブックを購入したの、ちょうど2刷が尽きた頃だったんだなあ…。今なら新品が買える。
今回の展示の図録はありませんでした。完売ではなく存在が無だった模様。代わりに?A5サイズ16Pのフルカラー図版付解説冊子がもらえる。なんか、このタイミングで図録が出ないの、建替え再開発とかのからみかなあ…と勘ぐってしまう。

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