つかまえた。暴風雨にまぎれて消えてしまおうとしていた男の腕を強く握った。呆然と立ち尽くすのににやりと笑って見せてから、俺はびしょ濡れの唇をやはりびしょ濡れで冷えた唇に押し当てる。見失わないよう飛び散らないよう、しっかりくわえてきた俺の魂をねじ込んでやる。もう逃げられると思うなよ。 2013.9.16(Mon) 10:26 twlog_3k