みずのそこ
aquascape

いってき、いってき

夏は終わりだ。叫ぶでもなく淡々と告げる。ぴしり、と何かが裂けるような音が立ち、夏空が粉々に剥がれ落ちてきたかと思えば、それはガラスの天井なのだった。真夏のふりを続けていた街区の上にみるみる高い空が広がってゆく。ひりつく熱はもう無くて、名残の傷痕に触れるみたいに、きみの手を引いた。

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