三日月宗近という重たい水が火をひとつかかえることになったのは、鶴丸国永のせいである。あるいは、かれのためである。かれは三日月の水面に小さな石をなげこみつづけた。ぽたり、ぽたり、と無為に吸い込まれるようにみえたものは、だが、そのたびに水を揺らした。 2016.9.14(Wed) 09:06 twlog_3k