もう動かない腕時計から、小さな針を取り出した。ぱくりと飲み込めば引っかかりもせずに落ちてゆく。北高での、SOS団での三年間を、彼と共に在った三年間をずっと刻んできた針だ。これからはこの針が、壊れてしまった心臓の代わりに僕を生かしてゆくだろう。 2016.10.18(Tue) 21:52 twlog_3k