みずのそこ
aquascape

いってき、いってき

もう動かない腕時計から、小さな針を取り出した。ぱくりと飲み込めば引っかかりもせずに落ちてゆく。北高での、SOS団での三年間を、彼と共に在った三年間をずっと刻んできた針だ。これからはこの針が、壊れてしまった心臓の代わりに僕を生かしてゆくだろう。

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