三日月宗近が顕現した。だがその姿を見たのは鶴丸国永ただひとりだった。新しい戦闘訓練の仕込みをしていた、と彼は言う。にわかに風が巻いたんだ。万葉桜がざわめくと、そこには印象的な紺青の姿が立っていた。唇は何かを呟いたかもしれない。それきり、舞い散る花びらにとけるようにかき消えた。 2016.10.24(Mon) 09:01 twlog_3k