みずのそこ
aquascape

いってき、いってき

最近、楽器(の、おそらく音色やメロディライン)について、「エロい」という言い方をしているのを複数見かけて、これは「エモい」を一般層に奪われたのち行き着いた先なのだろうか…と考えていた。
仲間内で「通じる」前提があって使用していた用語が、意味を拡張されて一般化したとき、もうあの用語ではなくなってしまった、あの意味で使うことはできない、という思いを抱く者はまあ多いだろうし、ともなって、別の用語が使われだすことも分かる話なのだけど、すでにめちゃめちゃ広く別の意味で使われている語をスライドさせてもってくるのはどういう帰結なのだろうな、とか。
(もともとエモ、が、どちらかというとネガティブな意味を持っていた「エモーショナル」を反転させ、少数派のアイデンティティとされた流れをふまえれば)、一般層に公の場で拡散されにくそうな語を選んだということなのだろうか、とか。
高揚感やティンとくる感じ(?)に近似を感じたのだろうか、とか。
でもなんというか、最初から他の意味がことごとく負けてしまいそうな「強い」語だなあと思うので定着しなさそうな気はしており、この先、音楽界隈での「エモい」にあたる表現はどういう変遷をたどるのだろうな…と特段追うつもりもなく好き勝手ぐるぐるしているのであった。

drop