みずのそこ
aquascape

いってき、いってき

文學界を買ったので文學界をめくっている。
袋もカバーも不要ですと伝えたところ、では栞だけ挟んでおきますねと丸善の人が挟んでくれた栞、今見たら2枚重なっていた。ざっと目次に目を通して、そういえばこの号を買おうと思ったの、山中さんと安田さんの連作が読みたかったからだったと思い出したので、2箇所に2枚の栞を挟むことにする。

はるかな過去に短歌の読者になろうとしたとき、「単なる読者」の居場所がどこにもないことに深い恨みを抱いたため、未だに短歌誌を手に取ることはあまりないのだが(自分の恨み深さを実感できるという感謝はある)(あの頃、短歌ヴァーサスに出会えなかったらさらに恨みは深くなっていたと思う)、文芸誌というものは読者に向けて編集されているのでそれだけで安心感がある。
だから、文芸誌に短歌載ってくれるとありがたいな。
中高時代は文藝、海燕、しばし離れていた時期を経て新潮、比較的最近だとスピン、すばる…等、手が伸びがちな個々の雑誌に変遷はあれ、「文芸誌」というもののフォーマットは横(種)にも縦(時代)にもわりと変わりがなくて、馴染みもあるし。
(目次等の物理的フォーマットで言うなら、ユリイカとかも親戚筋の認識あり)

とはいえ、ちょっと前までの文學界は表紙が毎号苦手すぎて買うことができずにいたのであった(こっち見んな!とおびえていた)。1度だけどうしても掲載作が気になって買ったものは表紙にファンシーペーパーを貼り付けてある。
今はそんなこともなく、買いたいと思った号は買える。
水色と茶色の組み合わせはテッパンでかわいいという認識があるため、最新号などとてもかわいい。配色がまるでデパ地下だな、と思っている。うきうき買った。本はうきうき買いたいよな。

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